体験記のはじめに
「体験記編」では私が東京都葛飾区にある杉田眼科でオルソケラトロジーでの近視治療を始めるに至った経緯や、治療を開始してからどのように視力が改善していったのかをつづってみました。
自分の治療の経過と感じたことをありのままに、そしてできるだけ簡単にまとめるようにしています。
つたない文ではありますが、本当に「オルソケラトロジー」がどのようなものかを知りたかったり、本気で「始めてみよう!」という思いがあるのならば是非全てに目をとおしていただきたいと思います。
それでは是非体験者の「生の声」としてご覧ください。
メリットとデメリット@管理人
インターネット上や本などでオルソケラトロジーのメリットとデメリットは数多く紹介されていますが、ここでは私が実際に使用してみて感じたメリットとデメリットを記しておこうと思います。
メリットを先に挙げると、やはり一番のメリットは裸眼で生活できることかと思います。
これはどこでも言われていることですが一番の利点であり、実際に私も強く感じます。私は以前はメガネのみを使用していましたが、メガネは本来遠くをみるときに使うものであるので本を読むなど、近くを見るのには適していません。
私は外出先で本を読むときは眼が重くなるような感覚があったので必ずメガネをはずしていました。その着脱の手間がなくなったというのは地味ではありますが非常に爽快です。また、メガネに気を配ることなくスポーツを楽しめるのも嬉しいです。
次に近視の進行を感じなくなったということです。
メガネを使われている方はご存知でしょうが、メガネは近視を進めてしまう副作用があると言われており、若年者の場合は2~3年もすれば新しく作り変えることになってしまいます。
実際に私も高校に入学してメガネを初めてつくってからも度が合わなくなり何度か作り直しをしなければなりませんでしたが、オルソケラトロジーには近視の進行を遅くしたり、完全に止めてしまう研究効果も報告されているので、レンズの耐用年数がこない限りは「何度も作り直す」といった必要はないでしょう。
もっとも私の場合は20歳を越えてからオルソケラトロジーによる治療を始めたため、近視の進行はその時点である程度止まっていた可能性もあります。近視の進行を止めたいために治療を開始したい場合は眼科医の方とよく相談しましょう。
これ以外にもメリットはたくさんありますが、代表的なものは以上の2点です。
逆にデメリットを挙げてみます。
まず、「視力が不安定になる時がある」ということです。
視界に霧のようなモヤがかかり、手元の本が見えづらいことがあります。これは近くのものに限らず、遠くのものに対しても同じ現象が起こります。これはレンズをはずすときに一時的に角膜にゆがみが生じてしまった場合に起こります。
そうしたことが起こってしまうと手元の本やパソコンの文字が見えにくくなり、ストレスを感じてしまいます。近くのものが見えないのは意外に心理的な負担が大きいでしょう。
また、定期的にレンズを装用しなければならないのでどうしてもある程度のわずらわしさはあります。メガネだと身につけるだけで簡単に近視矯正ができるために、それと比べると手間がかかるというのは否定できません。
生の声としてはこのようなところです。是非参考にしてみてください。
体験してみて-後書き
いかがでしたでしょうか?
私がオルソケラトロジーを体験して感じたことをそのまま書いてみました。
私の場合は検査でも異常が無いまま安定期に入ったので、あっさりとした記述が多くなっていると思います。もし目標としていた視力に届かなかった患者さんの体験記であれば、治療の問題点や2枚目以降のレンズをオーダーするといった治療の過程を詳細に記述されるかもしれません。
オルソケラトロジーは患者ごとに臨機応変に対応する個別の医療です。レンズがオーダーメイドであることはその代表的な例でしょう。
私の体験はあくまで「多くの患者のうちの一人」の体験だということをご理解ください。そして何かわからない点があったり、治療の過程で問題が起こった場合は必ず医師に相談するように心がけてください。
正直に言って治療を開始した当初は私にも不安がありました。
私はコンタクトレンズ未経験でしたし、「寝たままコンタクトレンズをする」といったことにも抵抗がありました。しかし、医師の丁寧なご指導のおかげでそれを乗越えることができ、オルソケラトロジーが生活の新たなパートナーとなってくれました。
この体験記を最後まで目を通してくださった方が良好な裸眼視力を得られることを祈りつつ、結びの言葉とさせていただきます。
6ヶ月後まで
定期検査でも角膜や視力に異常は無く、順調にこの時期までくることができました。前回からひきつづき、この時期にはレンズをしないで寝た次の日でもある程度良い視力を維持できるようになりました(私は酔った時にレンズをしないまま寝ることが多いです(笑))。
私の場合はオルソケラトロジーの適応性が高かったため、この時期まで問題は起こりませんでした。1枚目のオーダーレンズで目標の「1.0」程度の視力を得られることができましたし、定期検査でも問題は無く、診察に時間がかからずに終わります。
ただ、患者さんによってはこの時期になっても視力矯正の効果が思ったほどあらわれないケースも少数ながらあるようです。その場合はより度の強いレンズをオーダーして目標の視力を目指すか、オルソケラトロジーによる治療自体を諦めなければなりません。
「目標の視力まで届くかどうか?」は不確定要素もあるために熟練した眼科医でも完全な予測は不可能です。2枚目以降のレンズをオーダーする必要があればその分費用もかかります。ゆえに治療を進めるか中止するかは眼科医との入念な意思疎通をはかり、後悔のない選択をしましょう。
なお、私がこの時期に大きく感じたことがあります。
それは「オルソケラトロジーは長く続ければ続けるほどメリットの部分を大きく享受できる」ということです。
例えば、治療を長く続ければ続けるほど視力は安定してゆきますし、レンズの着脱を含む管理も慣れれば大した手間はかからなくなってゆきます。
この時期までくることができると裸眼での生活を満喫できるでしょう。
3ヵ月後
オーダーレンズを装用してから2ヶ月ほど経ちました(テストレンズからの通算で3ヶ月ほどです)。この時期になると完全に安定期に入り、裸眼生活を満喫できました。
治療を開始した初期のころに問題だった「光に弱い」ということも徐々に少なくなってゆき(それでも若干光に弱い面はあります)、朝早くにレンズをはずしても夜遅くまで効果が持続します。私個人としては朝でも夜でも視力の変動は感じません。
また、初期のころは夜レンズをしないで眠ってしまうと次の日はどうしてもオルソケラトロジーの効果が無くなりメガネが必要となってしまうのですが、3ヶ月目になるとレンズをしないまま寝てしまった次の日も幾分か効果が残るようになりました。
例えば装用開始初期のころは通学途中に電車の中でほんの10分程度眠ってしまうだけでも視力矯正の効果が落ちてしまいますが、この時期になると電車の中で眠ってしまう程度では視力に影響はでません。
ただし、さすがにレンズをしないまま寝てしまった次の日の夜になると視力がかなり落ちてしまいます。
定期検査の際にそのことを医師に伝えると、「2日に1度の装用で視力を維持するのは難しいので、毎日レンズを装着するようにしてください」と指示されたため、私の場合は毎日の装用で治療を続けることになりました。
角膜の柔軟性がかなりある人は2日に1回のレンズの装用で好視力を維持できることもあります。これは個人差があるために、医師の指導の下でレンズを装用する回数を決めましょう。
オーダーレンズ装用開始
治療開始1ヶ月目の定期検査と同時にオーダーレンズの装用が始まりました。
私はレンズ作成当初は大学生であり、生活の時間が不規則だったので医師の方が6時間ほどの睡眠でちょうどよくなるように強めのレンズをオーダーしてくださいました。
レンズ作成時にはライフスタイルを考えて度を調整してオーダーするので、このときにあなたのライフスタイルを伝えておけば医師がきちんとレンズを調整してくれるので、できる限りのことを伝えておきましょう。
なお、ここでいう「度を調整する」とは、レンズそのものの「度」ではなく、睡眠時間などの装用時間を考えた「度の調整」です。
例えば、レンズのデザインの仕方によっては「6時間の装用で『0,1』→『1,0』」になるように調整することも可能ですし、「8時間の装用で『0,1』→『1,0』」にすることも可能です。ただし、これはあくまで「想定値」であるので、角膜の柔軟性といった不確定要素によっては装用後の視力が変動します。
もし安定期の視力が想定した範囲より良かったり悪かったりした場合は強めのレンズを追加でオーダーしたり、逆に弱めのレンズをオーダーする必要があります。
もちろん、医師も患者の負担を考えて1枚のレンズで目標とする視力になるようにレンズをデザインしてくれると思いますが、不確定要素があることも考えておきましょう。
ちょっと横道にそれてしまいましたが、ここで私の体験に戻ります。
視力検査でも角膜検査でも異常は無く、さっそくその場でオーダーレンズを装着してみました。レンズ装着後でも眼に異常は無く、晴れて装用開始ということになりました。正直なところ、テストレンズと装着感は変わりません。レンズの形は微妙なものですから着けてみても特に「装用感に違いはないな」というのが正直な感想です。
ただし、気持ちの違いというものはやはりあるもので、その日は夜寝るのが待ち遠しかったです。
オーダーレンズを受け取り今まで使っていたテストレンズを返却してその日は家に帰りました。
※このテストレンズを返す際に破損があると新たなレンズの作成費用として余分にお金がかかってしまう医院が多いのでレンズの取り扱いは慎重にしましょう。
1ヵ月後
このころになると視力の不安定さもあまり無くなり、さらに安定感が増してゆきました。
安定しない日もたまにあるのですが、ほぼ毎日、朝の7~8時ごろにレンズをはずしても夜の12時ごろまでしっかりと効果が持続するようになり、この時期は長期的な「効果の持続性」を強く感じました。
書籍や取り扱い眼科のホームページなどをみると大体のところでは「夜になると矯正の効果が弱くなってくる」と書いてありますが、私の場合は夜になってもほとんど効果は変わらないように感じています(もちろん、これには患者ごとの個人差があります)。
ただ、オルソケラトロジーは光に弱い面があるので、夜間に車を運転することは避けています。街頭の光や対向車のライトがにじみやすいからです。もし仕事の都合上で運転をする機会が多い方はこうした事情もふまえて医師の方とよく相談された方が良いと思います。
この時期からは裸眼で生活できる素晴らしさを十分に堪能できるでしょう。
●ちょっとしたテクニック
この時期でも視力が不安定になる日はあります。視界に霧のようなモヤがかかったり、視界全体がぼけてしまうといったケースです。
これは時間が経てば徐々に緩和してゆきますが、もし早くこの状態をなおしたいのであれば小時間の睡眠をとってみましょう。眠れないのであれば、しばらく眼を閉じるだけでもよいです。
私の経験上、10分ほどでも眼をつぶった状態を続けると視界の霧が晴れてゆきます。
なお、これは角膜にクセがついてきたこの時期からできるテクニックです。治療開始1週間ほどの時期は眼を閉じることによって角膜の形が元に戻ってしまい、裸眼視力が落ちてしまいやすいです。
ゆえに治療開始初期は居眠りはなるべく避けましょう。たとえそれが10分ほどの時間であってもです。
※これはあくまで私個人がしているテクニックです。もし視力が安定しない日が続くのであればきちんと眼科医に相談しましょう
定期検査での失敗
この時期の定期検査で失敗がありましたので一つ記しておきます。
定期検査の予約をした日の前日の就寝が遅くなってしまい、午前3時ごろにレンズをして7時くらいには起きなけらばならなくなってしまったのですが、この時オルソケラトロジーの効果が十分に現れないままに検査を受けることになってしまいました。
そのためにレンズの効果が十分に現れているのか測定が難しくなってしまったという事態がおきてしまったのです。
定期検診を受ける前の日はレンズの効果を正しく計測するために余裕をもって就寝しましょう。
レンズオーダーの日
1週間のテストレンズの装用期間も終わり、定期検査とレンズをオーダーするかどうかの決定をする日がやってきました。
まずは眼に異常が無いかどうか角膜の形状を機械でチェックし、その後は視力検査を行いました。
その結果は両眼ともに「1.0」。
自分でも恐らく1,0くらいの視力はあるだろうということは感じていましたが、数字になるとやはり嬉しさも倍増です。オルソケラトロジー装用後は視力検査をするのが本当に楽しみです。
その後は、医師に直接眼を検査していただきました。レンズをつけた状態とはずした状態の2回にわけてチェックしたところ異常はなし。オルソケラトロジーの適性有と診断されました。
あらためてレンズをオーダーすることに決めて、晴れて自分専用のレンズをつくることにしました。米国でオーダーしたレンズが手元に届くのには1ヶ月ほどかかるので、その間はそれまでに使っていたテストレンズをそのまま使用することになり、眼科を後にしました。
最初に来院したときにはメガネ無しでは何も見えない状態だったのですが、今ではもう家から眼科までの間を裸眼でも何不自由なく移動することができました。もうメガネを携帯する必要もありません。
私は以前は電車の中で本を読むときにメガネをしているとどうしても眼が重くなる感覚があったためにはずして見ていたのですが、今ではもうその必要はありません。帰りの電車の中でもそのまま本を読み、そのまま駅から自転車で家まで帰宅できました。
私のとってメガネの着脱の一手間がなくなることは地味ながら本当に嬉しい治療の効果です。
使用開始から1週間程度でも眼が良かったころとほとんど同じ生活ができたことはとても嬉しいです。
テストレンズの1週間
初日
眼科から2時間ほどかかって家に到着するころにはオルソケラトロジーの効果も徐々に薄れてゆきました。角膜にクセの無い状態で1時間だけレンズを着用してもやはり効果は長く続きません。
オルソケラトロジー生活1日目は寝る前にレンズをつけるのに悪戦苦闘してしまいました。
適性検査の時と違ってレンズのつけ方を指導してくれる人がそばにいないために大変でしたが、これからオルソケラトロジーを始めるのには一人で管理をしなければいけないので、そのことに関しては慣れるしかありません。コンタクトレンズ未経験者の人にとっては裸眼生活への第一歩目です。
装着後、まばたきする度にレンズが上下に動くゴロゴロするような異物感をまた感じました。検査の時は時間が経つにつれてだんだんと慣れてゆきましたが、改めてレンズをつけてみるとその異物感を感じます。
ただ、眼を閉じてしまうとレンズをつけている感覚はほとんど無くなったので、その日はすぐに眠ることができました。基本的に異物感は眼を開けたり閉じたりする時だけで、眼を閉じたままの状態ではほとんど気にはなりません。
通常のハードコンタクトレンズはつけたまま生活をしなければならないので、まばたきをする度に異物感を感じます。もし普通のコンタクトレンズをお持ちの方はレンズを着けたまま目をじっと閉じてみてください。異物感はほとんど感じないのではないでしょうか?
翌朝起きてみると眼が少し乾いているような感覚がありました。この感覚は特に眼に異常があるわけではなく、何ヶ月続けても起こります。この眼が乾いている状態でレンズをはずすと角膜に一時的にゆがみが生じ、視力矯正の効果がうまくあらわれない時があります。
ゆえにレンズをはずすときには点眼液で眼を十分にうるおしてからはずしましょう。眼科医さんの中には朝起きて点眼液をつけた後、1時間ほど経ってからレンズをはずすように指導する方もいるようです。これはレンズをはずす際の角膜の一時的なゆがみをなるべく起こさないようにするテクニックの一つです。
なお、「眼がうるおった」という基準として点眼液をさしてからまばたきをして、レンズが眼の中で上下に少し動くようになればOKと言えるでしょう。
レンズをはずすと少し光がぼやける感じがしましたが、確かに周りの景色がはっきりと見えました。
ただ右目と左目で若干効果が違うようで、右目の方が遠くまで見えました。治療開始初期は右目と左目で矯正の進み方が違うときもあるようです。
初日は角膜にクセがついていないために、夕方ごろになると徐々に視力が落ちてゆくと思います。ゆえにオルソケラトロジー開始初期のころは夕方ごろになるとメガネを併用する必要があります。ただし、多くの方はそれまでに使用していたメガネが合わなくなっているでしょう。
これは過矯正と呼ばれる状態で、治療をする上で避けては通れないと思います。運転を頻繁にする方などは一時的に度の弱いメガネをつくるなどの方法を医師に相談してみましょう。
最初のころはこうした不便さもでてくるかもしれませんが、オルソケラトロジーの効果が安定してくるのには少し時間がかかります。このあたりは何とか乗り切りましょう!
2日~3日目
2日目の朝にレンズをはずしてみると、視界全体に霧のようなモヤがかかって見えました。
これはおそらくレンズをはずすときに眼のうるおいが十分でなかったため、レンズをはずしたときに角膜に一時的なゆがみが生じたからだと思います。
オルソケラトロジーは角膜の形状を綿密に計算した上で変えるものなので、角膜にゆがみが生じてしまうとうまく視力が矯正できません。
幸いこの状態は一時的なものなので、午後になる頃には霧のようなモヤもなくなり、遠くまで見える良好な状態になりました。
しかし、一時的なものとはいえ、視界に霧がかかる状態は好ましくありません。なぜなら近くのものでも霧がかかるために、パソコンや本のような細かい文字を見るときには不便だからです。
「近くのものが見えない」というのは、人によってはかなりストレスを感じてしまうでしょう。
このようなことをなるべく起こさないように、レンズをはずす際には十分に眼をうるおすように気をつけましょう。
●3日目
3日目の朝にレンズをはずすと、遠くも近くもはっきりと見える今までで最高の状態でした。オルソケラトロジーは最初の段階ではどうしても視力が不安定になる日があるのですが、この日はうまくいったようです。
自転車をこぎながら「裸眼で見る」町並みは、「メガネを通してみた時」とは気持ち的に全然違いました。きっとメガネを着けているわずらわしい感覚から開放されたためでしょう。
また、3日間連続して使用すると効果は落ちてゆくものの、夜まで視力矯正の効果が持続するようになってゆきました。
この日は終日メガネいらずです。
4日目から7日目
装用開始から4日目~7日目までになるとほとんどメガネを使用せずに生活できました。レンズのケアや取り外しにも慣れてきました。
オルソケラトロジーは治療開始1週間くらいは視力回復の効果が十分にあらわれなかったり、夜になるにつれて視力が落ちてきてしまうこともあるのですが、私の場合はかなり治療に適していたのかテストレンズ使用中のこの時期でも良好な視力が得られるようになりました。
ただし、視力が安定しない日もありました。その原因は、おそらく前日寝る前に眼を酷使したためだと思われます。
私は寝ようと思っても眠れないときには本を読んだり、インターネットを見たりしてしまうことがあります。レンズをつけたままこのように眼を酷使するとまばたきの回数が少なくなり、必然的に眼が乾燥した状態となってしまいます。
私の経験上ですが、この状態のまま寝てしまうと翌日の矯正の効果がうまくあらわれません。
ですので、なるべく就寝直前にレンズをするようにするか、どうしても寝れない場合でも点眼液を定期的にさすなどの対処法をとって眼が乾いた状態のまま寝ることは避けましょう。
また、上記のようにこの時期はメガネをほとんど使用せずに生活ができましたが、右目と左目で見え方が違う日がほとんどでした。
自宅には視力検査表が無いのではっきりとは言えませんが、右目が「0,9」で左目が「0.7」というように左右の視力が若干違います。全般的に右目の方がよく見えて、左目の方が不安定という感じでした。
私の場合は左目の方が視力が悪く、なおかつ軽度の乱視なのでその影響もあるかもしれません。
私に限らず左右で矯正の進み方が違うということはよくあることなので、特に治療に異常があるわけではありませんが、「日」ごとだけではなく、「左右」による視力の不安定さがあることも覚えておきましょう。
適性検査の日
適性検査の結果次第でオルソケラトロジーによる治療を開始するかどうかが決まります。なお、適性検査は治療を開始するかどうかを判断をするものなので、「治療の効果」を完璧に判断できるわけではありません。
適性検査はまず問診表から始まりました。
問診表に書いてるのは簡単な質問で「何歳ごろから視力が悪くなったのか」、「ドライアイであるか」等、3分ほどで全て書けるものでした。全ての項目を書いて受付に提出すると、次は視力検査です。
裸眼で測ると左右ともに0,1以下。毎度のことなのですが、メガネをはずすと「0,1」の文字すら見えないのは非常に悲しいです。しかし、それだけに「あと何時間かしたら同じ検査表がどう見えるんだろう…?」と、オルソケラトロジーへの期待感も大きくなりました。
視力検査の次は自分に最適なテストレンズを選ぶために角膜の形状を測る検査をします。オルソケラトロジーに限らずコンタクトレンズは眼に直接フィットさせるものなので、レンズの形は非常に重要です。
私は治療が可能となる規定値よりも左目が若干平らな形状だったのですが、医師の方から「これぐらいの範囲であればおそらく大丈夫です」と言われたので一安心しました。この検査もあまり時間はかかりませんでした。
中には視力や角膜の形状によりオルソケラトロジーの使用に適していないという方もいますが、「視力がかなり悪くても角膜に柔軟性があるために使用可能」という場合もあります。
視力や角膜の形状を測り自分に合うテストレンズが決まったら、いよいよオルソケラトロジーを体験できます。
テストレンズの装着
テストレンズとは患者がオルソケラトロジーの使用に適しているかどうかの目安として使われるもので、非常に重要なものです。
角膜の柔軟性によってはオルソケラトロジーの効果があまり出ない場合もあるので、このテストレンズを装着することによって視力矯正の効果がでるのかどうかを試します。
私はコンタクトレンズ未経験であったので、このテストレンズをつけるのにも悪戦苦闘し、かなりの時間がかかってしまいました。眼に何かを入れるということにどうしても抵抗感があったのです。
奮闘している私に医師の方がレンズの付け方や瞳からズレたレンズを中心部分に戻す方法を丁寧に教えてくださり、時間はかかりましたがようやくレンズを装着できました。
医師の方の細やかな心配りに感謝しつつ周りを見ると、驚いたことにすぐに遠くの景色まではっきりと見えるようになっていたのです。
「これがオルソケラトロジーの効果!?」と思いましたが、実はオルソケラトロジーのレンズにも通常のコンタクトレンズと同様に度がはいっているので、装着後すぐに見えるようになるのです(余談ですがこれを利用して通常のレンズと同じように昼間の間に装着して使用することも可能です)。
最初の数分はコンタクトレンズが眼の中でゴロゴロするのが気になりましたが、慣れていくうちにその異物感がだんだんと消えていきました。
その後、医師の方に「このまま1時間くらい眼を閉じていてください。その間眠っても大丈夫ですよ。」と言われたのでそのまま眼を閉じて待つことにしました。角膜が矯正されるまでのしばしの安息の時です。
眼を閉じると異物感も全然感じなかったので、リラックスして1時間を過ごすことができました。その時は「本当に1時間だけでも効果があるのかな?」という期待と不安が半々でした。
1時間後。
医師の方の指示でレンズをはずしてみました。
レンズをはずして広がる世界
1時間くらい経ってからレンズをはずすように言われました。
レンズをはずして周囲を見わたしてみると1時間程でも確かに効果があり、先ほどよりも遠くのものまで見えるようになっていたのです。
ずっとメガネに頼りっきりで、裸眼ではほとんど物が見えない状態だったのでこれには本当に感動しました。ただ、この時点では蛍光灯の光などの光源を見ると若干にじんで見えることが気になりました。この状態は角膜にしっかりとクセがついていない装用初期によく起こる現象で、治療を始めたほとんどの人が体験することだと思います。
テストレンズ装用後は効果測定のための視力検査です。
普段であれば裸眼では視力検査をしたくなかったのですが(検査表の「0,1」すらよく見えないのにヘコんでいたので)、このときは視力検査を早く試してみたくてわくわくしました。
医師の方に案内され、先ほど裸眼で測ったのと同じ検査表の前へ。
先ほどは一番上の「0,1」の文字すら見えなかったのですが、オルソケラトロジーのおかげで今度ははっきりと検査表の文字がわかりました。
視力検査の結果は両眼ともに「0.6」。もちろん裸眼での数字です。
正直なところ最初は頭で理論が理解できても「本当に効果があるのかな?」と疑う部分がありましたが、短時間の着用でも本当に効果があらわれたのです。
感動の余韻にひたる間もなく、医師の方から「効果が確認されたようなので、このままテストレンズを使ってみますか?」との意思確認が。もちろん試すことし、レンズとハードコンタクト用ケース、点眼液と洗浄液をお借りしてその日はそのまま帰宅しました。
(帰宅する途中にも眼科に来る時にみた景色が裸眼でもよく見えるのが印象的でした)
出会い~眼科探しまで
私は中学3年生の受験時代に眼を悪くしてしまいました。
受験勉強も佳境に入ってきた秋ごろに教室の時計の数字がぼやけて見えてしまったのです。
あわてて眼科に行き視力検査を行ったところ、春の検査では左右とも「1,2」であった視力が「右0.9、左0,7」と診断されてしまいました。私の場合は両親ともに近視のため、いつかは自分も視力が悪くなるだろうとは思っていたのですが、いざそうなってしまうとやはり落ち込んでしまうものです。
ただ、それぐらいであれば日常生活にさして影響は無かったのでその時点でメガネは作らずに生活を続けました。
受験も終わり、高校に入学したときに一番後ろの席になったのですが、そのときにはもう黒板の細かい字が見えなくなってしまっていました。「このままでは学業に支障が出てしまう」と思った私は人生初のメガネをつくり、その後も何度かメガネの作り直しをして高校時代を過ごしました。
高校を卒業し、大学に入学してから「そろそろコンタクトレンズを使いたいな」という思いが出始めました。そこで眼科に行ってコンタクトレンズを作る相談をしたのですが、その当時は左右とも0.1以上の視力があったので、「コンタクトレンズを作るほど(の悪い視力)ではないです。」と言われ、その時点ではコンタクトレンズを作るのは諦めました。
その後もコンタクトレンズを使用したいという思いはあったのですが、しばらくはメガネを愛用しつつ生活を続けていました。しかし、日常生活には影響はないものの、メガネをかけたままではスポーツを思いっきり楽しむことはできず、また、本を読むときにメガネをかけたままだと目の奥が重くなるという欠点があったため、どうしてもある程度の不便さは感じていました。
そして大学3年生になったころ、オルソケラトロジーに出会ったのです。そのきっかけは非常に単純なもので、私のいとこがオルソケラトロジーを使用していたのです。夏休みに親戚同士で集まったときに、いとこが夜寝る前にレンズをしているところを見たのがオルソケラトロジーとの出会いでした。
実際に使用しているところを見て興味を持ち、使い勝手や便利さを聞いていくうちにどんどんと「オルソケラトロジーを使用したい」という気持ちがわいてきました。
家に帰った後に取り扱い眼科のホームページを見るなどして、そのメリットを知るほどにいよいよ「オルソケラトロジーを試してみよう!」という気持ちが高まってゆき、挑戦してみることにしたのです。
はじめの一歩の眼科探し
オルソケラトロジーは誰にでも治療の効果が出るとは限りません。よって使用を開始するのにまずは適性検査を受けなければいけないことを知った私は眼科探しを開始しました。
大事な眼のことでもあり、一度レンズをつくった場合はその先何年かの付き合いになるので、「ロケーション」、「治療費」、そして「信頼できる医院」の3つを総合的に考えて探すことにしました。
とりわけ、「信頼できる医院」というのはとても重要なことであると思います。オルソケラトロジーの基本的な知識についてはインターネットや本を見てある程度学ぶことはできますが、専門的な部分や臨機応変の対応についてはやはり専門家にお任せするしかないからです。
最初にインターネット上で取り扱い眼科を探していると「モニター」制度を実施しているところがあるのを知りました。モニター制度とは定期的に角膜の状態のデータなどを採る代わりに、オーダーするレンズの代金を通常よりかなり割引してくれるという制度です。
そこで、モニター制度を実施している眼科に「モニター制度とはどのようなものなのでしょうか?」とメールで聞いてみました。これは単に治療を受ける手順の説明が聞きたいだけではなく、医院側の説明の仕方等をみて「信頼できる医院」かどうかを判断したかったのです。
返信はすぐにきたのですが、「モニター制度の体験者として登録させていただきました」とメールのタイトルにいきなりこの文字がありました。この時点で私は「患者の不安感を取り除くのを優先するのよりも、売り込むのを優先しているのかな…」と思ってしまい、この眼科で治療を受けるのを見送りました。
モニターになれば両目で10万円ほどでレンズをオーダーできるのは魅力だったのですが、やはり「信頼できる医院」というのを優先させたかったのです。
近場にモニター制度を実施している眼科がその眼科以外には無かったので、今度は通常の治療だけでオルソケラトロジーを実施している医院を探しました。結論からいいますと、最初に見つけた眼科こそが探し求めていた「信頼できる医院」だったのです。
なぜ信頼できると判断したかというと、例によってメールで治療の手順や料金などを聞いてみたのですが(実際に接触して医院側の対応をみるというのは重要だと思います)、その返信が非常に細かくこちらの疑問点を解消するものであったので「ここならば信頼できるな」と思って杉田眼科で治療を受けることを決心したのです。
※「そのメールの対応はどんなものだったのですか?」というお問い合わせが閲覧者様よりありましたが、プライバシーを含むものなので、内容の公開は控えさせていただきます。申し訳ありません。
そしてすぐにオルソケラトロジーの適性検査を受ける予約をして私は「はじめの一歩」を踏み出しました。
※もちろん信頼できる眼科は他にもたくさんあると思うので、是非とも自分に合った眼科を探し出しましょう